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退職金にかかる税金はいくら?勤続年数・金額別の手取り早見表と退職所得控除の計算方法

退職金は、長年の勤務に対する後払いの給与として、税金が大きく軽くなる仕組みになっています。勤続年数と金額からいくら税金がかかるのかを試算し、iDeCoの一時金と組み合わせるときの注意点も整理します。

最終更新日:

退職金の税金は「控除」と「2分の1」で大きく軽くなる

退職金(退職所得)の税金は、給与とは分けて次の手順で計算します。

  1. 退職金から退職所得控除額を差し引く
  2. 残りの金額を2分の1にする(これが課税される「退職所得」)
  3. 退職所得に所得税(速算表・復興特別所得税を含む)と住民税(10%)がかかる

退職所得 =(退職金 − 退職所得控除額)× 1/2

※ 役員等で勤続5年以下の場合や、勤続5年以下の従業員で一定額を超える場合は、2分の1にならない部分があります。

退職所得控除額(勤続年数別)

退職所得控除額は、勤続20年までは1年あたり40万円(最低80万円)、20年を超える部分は1年あたり70万円です。勤続年数に1年未満の端数があるときは1年に切り上げます(例:10年2か月 → 11年)。

51015202530353840
200万円400万円600万円800万円1,150万円1,500万円1,850万円2,060万円2,200万円

たとえば勤続38年なら2,060万円まで、退職金に税金はかかりません。

勤続年数・退職金額別の税金と手取り 早見表

「退職所得の受給に関する申告書」を提出し、退職金が1か所からのみの場合。所得税は復興特別所得税を含みます。

勤続年数退職金所得税住民税税金の合計手取り
101,000万円206,752円300,000円506,752円949万円
2,000万円1,229,284円800,000円2,029,284円1,797万円
3,000万円2,811,833円1,300,000円4,111,833円2,589万円
201,000万円51,049円100,000円151,049円985万円
2,000万円788,722円600,000円1,388,722円1,861万円
3,000万円2,137,974円1,100,000円3,237,974円2,676万円
301,000万円0円0円0円1,000万円
2,000万円155,702円250,000円405,702円1,959万円
3,000万円1,111,869円750,000円1,861,869円2,814万円
381,000万円0円0円0円1,000万円
2,000万円0円0円0円2,000万円
3,000万円523,262円470,000円993,262円2,901万円

計算例:勤続30年・退職金2,000万円

  • 退職所得控除額:800万円+70万円×10年=1,500万円
  • 退職所得:(2,000万円 − 1,500万円)× 1/2 = 250万円
  • 所得税:(250万円 × 10% − 97,500円)× 1.021 = 155,702円
  • 住民税:250万円 × 10% = 250,000円

「退職所得の受給に関する申告書」は必ず提出を

勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、退職所得控除を反映した正しい税額が源泉徴収され、原則として確定申告は不要です。

提出していない場合は、退職金の20.42%が一律に源泉徴収され、確定申告で精算する必要があります。いったん多額の税金が差し引かれるので、提出を忘れないようにしましょう。

iDeCoの一時金と退職金を両方受け取るときの注意点

iDeCoを一時金で受け取る場合も退職所得として扱われ、同じ退職所得控除の対象になります。会社の退職金と両方を受け取る場合、受け取る時期によっては控除を二重に使えず、税金が増えることがあります。

  • 同じ年に受け取る場合:退職金とiDeCoの一時金を合算し、1つの退職所得控除で計算します。勤続期間とiDeCoの加入期間が重なっている部分は、二重には数えません。
  • iDeCoの一時金を先に受け取る場合(2026年から見直し):2026年1月1日以後に受け取ったiDeCoの一時金は、その後に受け取る退職金の年の前年以前9年以内(改正前は4年以内)であれば、勤続期間が重なる部分の控除が調整されます。
  • iDeCoを年金形式で受け取る場合:退職所得ではなく雑所得(公的年金等控除の対象)になり、退職金の控除とは重なりません。

受け取り方によって税金は大きく変わるため、退職の数年前から計画を立てておくのがおすすめです。iDeCoの節税効果はiDeCo節税シミュレーター、NISAとの使い分けはNISAとiDeCoの違いで解説しています。

よくある質問

退職金2,000万円・勤続30年の税金はいくらですか?

所得税(復興特別所得税を含む)が155,702円、住民税が250,000円で、合計405,702円です。手取りは約1,959万円になります。

退職金に確定申告は必要ですか?

「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出していれば、原則として不要です。ただし、医療費控除などで確定申告をする場合は、退職所得の金額も申告書に記載する必要があります。

退職金に社会保険料はかかりますか?

退職金は、健康保険・厚生年金の保険料の対象となる「報酬」「賞与」には含まれないため、原則として社会保険料はかかりません。

参考にした公的資料

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※ 本記事は掲載日時点の法令・公的資料にもとづいて作成しています。制度は改正されることがあり、個別の状況によって取り扱いが異なる場合があります。最終的な判断は、勤務先・税務署・加入している健康保険などにご確認ください。